発達障害の母
同じ学年で歌のうまい子
顔のいい子
はきはき意見を述べて授業参観で発表する子
母の好きな子は目立つ子だ
私は大人しい体育の苦手な勉強ができるだけの子だった
運動会で目立つ子、それが母の好きな子なのだ
小学校のころ、勉強ができるのはいつも私が一番で
他の母親からはものすごくうらやましがられるのに
母はそんな地味な子には興味はないのだ
珍しく学校の私の同級生の話をすると思えば
「あの、あゆみちゃんかわいいね~
色が白くて、あんたもお母さん似て色が白かったらよかったのに」
「歌が一番うまいのは加奈ちゃんだね
アグネス・チャンの歌がすごくうまくてよかったわ」
私はその頃、母は少し変わり者だくらいの認識しかなかったから
母の言うことを信じて
勉強ができるよりも顔がよかったら喜ばれるのだと
そう思うだけで、夜寝る前に泣きながら考え込んだものだった