発達障害の母

しかし、度を越した音痴なので聞くのが苦しくなる

しかしそれは、やはり脳の何かかが足りないせいなのだろう

本人にまるで自覚がない

その音階を出せていないことに気が付いていないのだ

このことと、笑いを理解できないことがつながって

母の中の明るい家庭は

音程の外れた歌がいつも漂い、食事中には

笑い声とともに誰かの悪口を朗らかに話す

それが家族の中心にいる主婦たる務めだと

信じて疑っていなかった