発達障害の母

母は周りに誰もいないのに

コソコソとした目をすると


「ほら、村の入り口の

拓ちゃんところ

あそこの妹が孕んだ時ね」


「ああ、拓ちゃんって私より

2、3上だったよね

妹は確か私より3つくらい下の

ぼうっと、暗い子

あの子、子供とか産んだの?!

いつ結婚したの?」


「結婚はしてないよ

都会に出てどっかの金持ちの

二号になったらしいよ」


「へぇ、あんな子でも二号になれるんだ

それで、子供はその人の子?」


「それは、ずっと、後の話

あんたもわかりが悪いね!」


母は時間の流れで話すことが昔からできない

アメリカに行った時に

下層階級の白人が過去とか進行形とか

使えないまま話すのを不思議に思ったが

母もそんな日本語を話す