発達障害の母

私はもう、何も言わないことにした

そして、もちろん、村の誰にも言わない

友君の家族にも言わないと言って

帰ってきた


母はまだ、百万持ってウロウロしていた

私の顔を見ると


「ちょっと、友君のいるところに

行ってきたのかい?

はやく、このお金持って奥さんのところに行って

謝っておいで」


私を信じたことは今まで一度もない母

世間を生きていくマニュアルとして

子供を可愛いと思わない親はいない

子供を信じない親はいない

なんて口では言うが

それは、マニュアルだ

マクドナルドのバイトが笑顔で接客するような

そんな感じだ

この言い方に子供の頃はずいぶん騙されたものだ


「もう、終わったよ

お金、郵便局に入れに行った方がいいよ」


「友君、帰って来るのかい?

お金は?」