発達障害の母

行きたくはなかった

今でもあんなに心が傷ついたことは

ほかに思い出せない

この村にいたくないと、この同級生たちとは

早く別れたいと思わせたのはケロがいたからかもしれない

友くんはただただ、懐かしいだろう!

そういう気持ちだと思う

私とケロのことなどよく知りは知らないだろう

しかし、行かなければ仕方がないだろう

一日家の中をうろうろとして

あっちの物をこっちに置く

ふと思い出したものを探すのに何時間もかけている

寝て食べていなければ、そんなことばかりしている母に

 

「ちょっと、出てくる

ケロが帰って来てるんだって」

 

「ああ、園部の息子だろう?

あの子の息子が野球選手になってるらしいね」

 

え?私はびっくりした

ケロの消息なんか16の時から知らないし興味もなかった