発達障害の母

努力や成長なんかが馬鹿らしく思える私に

友くんからメールが来た

 

「園部洋治が帰ってきてるから

ちょっと、出てこないか?」

 

園部洋治?

私はしばらく思い出せなかった

 

「誰?」

 

「ケロだよ!」

 

ああ、思い出した

いや、思い出したどころじゃない

私にとっては天敵のような男子だった

同級生も村の人も私にはできるだけ母の話を振らない

そんな空気があった

ちょっと、年上の意地悪な人たちは

はっきりと母のことを口にして

私を泣かせようとしたりする輩もいたが

私が絶対に泣かなかったから、そのうち飽きられてしまった

しかし、園部は違っていた

ケロだ!