発達障害の母

その、男の子は

中学の卒業式が終わった頃

村の塗装屋に遠い親戚だと都会から

やって来たらしい

その頃には私は親戚の下宿先に

行っていたから、それから三年間の

彼の行状は全く知らなかった


「君、この村の人なの?」


そう言って近づいて来た

全く男子など見向きもしない

中学からの六年間を送って来た

私には、その標準語と背の高さだけで

夢中になるには十分だった

彼は女の子には相当慣れていたし

後から村の噂で聞いたところによると

村の女の子は総なめだったらしい