発達障害の母
大卒の切符だけが欲しかった私と
根本的に全て違い
多分、在学中は彼女は私を
軽蔑していたのだろう
それでも、学食で会えば話はする
その程度だったがなんとなく
卒業してからも数年に一度は
連絡を取り合っていた
それは、すべてが私の憧れである彼女との
縁を少しでも繋いでいたいと
私が長い間願っていたからだ
「久しぶりじゃない
元気にしてる?
スズキはいいよね
もう、一番下もハタチすぎてるんでしょう?
うちなんか、今から反抗期だもの」
私の旧姓を呼び捨て
当時大学で流行っていた女の子同士の
呼び方だったが、私はコンプレックスから
相手を苗字で呼び捨てはできなかった
「吉川さんのお嬢さんはお母さん似なんだから
心配することなんか一つもないじゃない」
私と彼女が長く続いているわけ
それは、お互い本音でしか
話さないってこともある