■
家に帰れば夕ご飯を食べ
そして、風呂に入り
適当に心にかかっている宿題をやって
そして、ラジオを聴き
漫画を読み、小説を読む
高校時代に一緒に住んでいた
家族の様子を描写することはできない
公務員の父、日雇い土方二出る母親
五つ下の弟は小学生
興味は全く家族にない
その頃、父が何を思い
母がどんな風に生きて
弟がどんな小学生だったか
まったく思い出せない
その頃の田舎の家は眼に浮かぶ
山の中腹の農家の家
父は農家の次男だったから
公務員であっても農業もやっている
家には牛も一頭いたし、鶏もいた
東京暮らしが長くなった今思えば
家族四人にしては広い家で
牛小屋があり、庭も広かったが
その頃の村の中では小さな家だった
高校から帰る時間頃は
ただただ、くらい山の中の家で
牛小屋のフンの匂いと
家の外にあるボットン便所の匂い
それが高校時代の夜だった