おばさんであること

美也はそう考えた時にハッとした

大輔がスミカを性的に退けなかった理由

中高生の男子だから仕方がないと

一度は考えたが

もしかしたら、自分と同じかもしれない

同じ血が流れているのかもしれない

そう思ったら、スミカに文句を言うのはお門違いだ

美也は自分が母のようになってはならないと思うし

スミカを見ていると、体の関係を男と結ぶのは

彼女が男好きだからではなく

生きるためだと感じた

 

「お父さんやお母さんは?

いないの?」

 

「たぶんいるんだとは思うけれど

物心ついたときから施設で育ったし

良くは知らない

知りたくもないしね」