おばさんであること

しばらく甘い蜜のような日々が続いた

明美は三人で会う日も断って

坂の上にのめりこんでいった

夫も息子も気が付かないと言うよりも

明美に全く興味がないのだ

坂の上の甘い言葉、そして、初めての恋

もう、離れたくない、主人とは離婚する

そう言う明美に坂の上は

実は莫大な借金があって、君を不幸にしてしまうから

結婚はできないと言う

それからは、たびたび、お金の無心があった

一回に10万円くらい、明美には何でもなかった

父が持参金としてかなりの財産を譲ってくれていたし

夫の稼ぎは相当なもので

それに手を付けなくとも裕福に暮らしてきたのだ