発達障害の母

中でも祖母の胸はときめいた

私かもしれない、何度もそう考えた

実際はその叔母の好みから言えば

次女が最有力だったし、祖母のすぐ下の妹は

姉妹の中でも一番美人だったり

一番下の妹は、やたら計算が早くできて有名だった

祖母が選ばれる確率は、誰が見ても皆無だったのだが

祖母は四六時中自分が選ばれることを思って

布団をきっちり敷いたり、上品に動いてみたり

あまり声高にしゃべらないようにしたり

ない頭で一生懸命努力した

妹の中にすぐ転換で倒れる子がいて

その子は全く自分が選ばれるなんて考えてもいなかったから

そんな風に一生懸命な祖母をせせら笑っていた

そして、次女が選ばれてこの家を去ると

祖母は気落ちして、自分のどこがダメなのか

さっぱりわからないまま、嫉妬だけが募った