その先

その日以来、充くんは

うちにも来なくなったし

学校にもでてこなかった


私は心配しながらも

あの婆さんにイチャモンをつけられて

家族を中傷されるのは嫌だった


その怖いことが起こったのは

そんな頃だった

校長先生が全校児童を集めて


「神社の裏に猫の遺体が

たくさん集められていて

どれも。オノで傷つけられているのが

見つかりました

こんな小さな村です

皆んな、1人にならないように

町からおまわりさんも来てくれますから

何か、知っていることがあったら

話してください」


小さな村は大騒ぎになった

近所の久美ちゃんは自分の家の猫も

犠牲になったと大泣きしていた


その先

すると、母が飛び出して


「うちのお義母さんは素敵な方でした

お金よりも素晴らしいこと

沢山おしえてもらいました

お金持ちになったって

心が腐っていれば、何にもなりません」


すると、、婆さんはせせら笑いながら


「負け犬の遠吠え!

とにかく、ここにはもう、来させない

花!学校でも充と話したら

ただじゃおかないからね」


そう言って、

うちがコピーしてあげた問題集を

ドンと置いて行ってしまった

父も母も怒っていたが

私は充君が心配だった

その先

すると、母が飛び出して


「うちのお義母さんは素敵な方でした

お金よりも素晴らしいこと

沢山おしえてもらいました

お金持ちになったって

心が腐っていれば、何にもなりません」


すると、、婆さんはせせら笑いながら


「負け犬の遠吠え!

とにかく、ここにはもう、来させない

花!学校でも充と話したら

ただじゃおかないからね」


そう言って、

うちがコピーしてあげた問題集を

ドンと置いて行ってしまった

父も母も怒っていたが

私は充君が心配だった

その先

でも、髪はバサバサで手の指の爪には

土が入っていて、真っ黒だった


「ちょっと、充に

いらん知恵をつけてくれちゃ困るよ

勉強ができたって

金持ちにはならんよ

うちは中卒だけどこうして金持ちに

なれたんじゃ」


そう言って父を見ると


「あんたの母ちゃんの志保さん

女学校まで行ったって

ずっと、貧乏で苦しんでいたじゃないか

あんた、忘れたのかい?

志保さんはうちより2歳上で

べっぴんで頭がいいって評判だったけど

長生きしたうちの勝ちや

子供の頃、字も書けんうちに

教えようと親切ごかしな人だったけど

見てみぃ、うちの方が幸せになった

金も入って、ありがたいことじゃ」


おばあちゃん!

大好きだったおばあちゃんのことを

そんな風に言うなんて

父も少し気色ばんだ

その先

そんな日が続いて

充くんはすぐに私の好敵手になった

開成のお兄さんにお礼の手紙を書くと

私たち2人からの手紙に感心して

いろいろいらない本を送ってくれた

充くんは中学を卒業したら

奨学金で高校に行って

お兄さんが東大ならば

僕も行くと張り切っていた


そんなある晩、おばあさんが

怒鳴り込んできた

お婆さんは高そうなスーツを着て

首飾りもしていた

私は前の汚いシャツに古いエプロン姿を

思い出して

お金って怖いとつくづく思った



その先

そんな日が続いて

充くんはすぐに私の好敵手になった

開成のお兄さんにお礼の手紙を書くと

私たち2人からの手紙に感心して

いろいろいらない本を送ってくれた

充くんは中学を卒業したら

奨学金で高校に行って

お兄さんが東大ならば

僕も行くと張り切っていた


そんなある晩、おばあさんが

怒鳴り込んできた

お婆さんは高そうなスーツを着て

首飾りもしていた

私は前の汚いシャツに古いエプロン姿を

思い出して

お金って怖いとつくづく思った



 その先

それから、充君は

学校に来ない日が多くなった

もちろん、来なくてもこのアホな担任の

授業なんかとっくに理解してるし

この学校の子供で彼の

遊び相手になれるような子はいない


それでも、たまに学校に出てくると

私の横に来て


「最近何してるの?」


そんなことを聞く

私が家で開成のお兄さんにもらった

問題集をやっていると言うと

驚いたように


「ほんと?それ、僕もやってみたい

今日、遊びに行ってもいいか?」


別に断る理由はない

学校から帰ってみると

充君がもう、家の前で待っていた

お母さんは充君のことは聞いていたから

美味しい揚げドーナッツをたくさん作ってくれていた


2人でそれを食べながら

ああでもない、こうでもないと

楽しそうに解いていると

お父さんがその様子を見て


「花!その問題集

公民館でコピーしてやろうか?

充君!毎日、ここに来て勉強するにしても

二冊あったほうがいいだろう?

あの開成の兄ちゃんにも

また、連絡取ってもらって

いらない本や教科書もらってやるよ」


そう言ってくれた

充君は本当に嬉しそうに頷いて

2人で楽しくドーナッツを食べた