ミキの遺産

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小百合は怒りで震えていた
いったい、自分が今までやってきたことは何だったんだろう
章子に関しては口には出さないまでも
失望させられることが多かった
だいたい、自分はお嬢様育ちで勉強はしなくてもよい
そんなスタンスで育てられたが
今、章子が通っている学校では常に10番以内だった
小百合の実家は代々、医者が多く出ている
もともと、頭のいい家柄なのだ
これからは女の子もバリバリ働く時代だ
小百合は頭のいいエリートの女の子を育てたいと思っていた

夫は康太だ、東大卒で弁護士
章子が勉強の出来が良くないのは
親のせいではないと決めつけていた
本人の真面目な努力がないからだ

勉強ができないことを叱るのは理想的な母のやることではない
そう思って、勉強が出来なくとも仕方がないと
あきらめて育ててきた
それならば、育ちのよいお嬢様に育てねばと頑張ったのだ
その結果がこれだ