ミキの遺産

イメージ 1


小百合が止める間もなく
章子はすらすらと読み進め

「へ~パパのお母さん?
おばあちゃんて大変な人だったのね
ミキおばさんもみぃさんも、そんな感じの仕事してたんだね
可哀そう!
中学卒業して、すぐに、売られたような物でしょう
でも、そこで、のし上がって
あんな大きな会社作るとか
パパを東大に行かせるとか、ただもんじゃないわね
今じゃ、毒親とか言う人だったのかもしれないけれど
どんな親でも、子供がしっかりしてればいいって
見本みたいじゃない
さすがパパの親戚ね~」

そう、何事もないように言って
冷蔵庫からジュースを取り出し

「まさか、ママ、そのことで落ち込んでるんじゃないでしょうね」

そう言われて、小百合はほとんど泣きながら

「騙されてたんじゃない!
そんなこと一言も言わないし!」

章子は少しがっかりした様に

「ママならそう思うでしょうね
でもね、私だって、似たようなものかもよ
ママの言うとおりに、これまでやって来たんですもの
お母さんの言うとおりに中学から風俗で働き始めた
ミキおばさんと同じ!」