ミキの遺産
小百合は今までずっと、康太の親族から
少しお客さん扱いされていたから
今の速水の言葉にビックリして
言い返すこともできずに
「あ、そうね、そうしてみるわ」
そう言ってそそくさと帰った
その話を聞いた章子は笑いながら
「ガツンとやられたってわけね
でも、本当のことじゃない
少し、何か夢中になれる物でも見つければ」
娘にもそんな風に言われて、小百合は落ち込んでしまったが
確かに言われてみれば、そうだ
そして、小百合が手始めにやってみたのは
康太の親族のルーツを調べようと思ったのだ
速水もみぃも怪しすぎる
康太だって、小百合はあまりの昔のことで忘れていたが
バツイチだったはずだ
いったいどんな奥さんだったんだろう
何と、二十年くらい遅れて嫉妬心が芽生えてきた