ミキの遺産

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章子はこの話になると
いつだって、半分本気で怒る
小百合に対して章子は少し小ばかにしたような
そんなところがあるのだが
普段はまったく小百合を面白がってみている感じなのだ
小百合にしてみれば、何となく思ったことを口にしただけで
あまり、深く考えたことはない

だって、中卒なんか・・・
本当のことじゃない
雅紀君のことだって、本当は反対なんですからね
そう思いながら、世の中のこと
特に子供のことはあきらめしかないと思う

速水は小百合のそんなところは知っている
だから、星人に関して何やかやと話すのは嫌なのだが
章子が手を離れて
小百合もすることがなくなると、よく遊びに来るようになった
だいたい、小百合はこんな性格のせいだろうが
ママ友も友人もいない
一緒に話したり暇つぶしをする相手は
最近では速水ばかりだ

「それで、章子ちゃんと雅紀君はうまくいってるんですか?」

「まあね~、雅紀君って今は仕事に夢中だから
章子と会うこともなかなかないみたい
だいたい、ああいう人って、何かに夢中になると
他が見えなくなるでしょう
色々お世話してくれるのがみぃさんのもと夫だった人でしょう
あの人は再婚したばかりだから
週に一度は休み取りたいらしいけれど
休んでいる時も、仕事の用事で彼のところに容赦なくいくから
困ってるんじゃないかしらね」

小百合は章子の相手は
康太の親族とは全く関係ない人がいいのに
そう思っているのがよくわかる