ミキの遺産

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そんな話をして和んでいると
速水が思い出したように

「そう言えば、この間、命日でも何でもなかったんだけど
息子がアメリカから帰って来たから
お墓参りに行ったのよ
そしたら、そこに綺麗な百合の花が供えて会って
和尚さんの話では、私たちが行く直前に
初老の男の人が来たって言うのよ
私たちの周りで、母のお墓まいりをする
初老の男の人って心当たりある?」

「それは義兄さんの知り合いじゃないの?」

「私もそう思って和尚さんに聞いたら
はっきり、母の知り合いだと言ったんですって
それで、身内の人が来たら
一度訪ねてもいいか聞いてほしいって言われたらしいの
私は母の生前を知っている人ならば、
ぜひ会いたいって思ったんだけど
あ、それで、和尚さんから名刺を預かってきたの」