ミキの遺産
康太はそのみぃの夫に
娘の婚約者がお世話になっていることもあって
みぃはすっかり元気になってありがたかった
「章子ちゃん、婚約したんだって?」
「ああ、まだ、高校生だから、どうかと思ったけれど
雅紀君が早く結婚できるように
仕事の励みにしたいし
まぁ、あのイケメンだから、
婚約者がいるってことにしておけば、色々面倒も起きないだろうしね」
「章子ちゃんはどうするの?」
「ああ、あいつは思ったより醒めていて
大学に行って、家事や料理を完璧にして
いい奥さんになる
雅紀君ならお金持ちの社長になるだろうからってさ
弁護士は思ったほどお金にならないからね」
速水は笑いながら
「それも、みぃさんのバックアップがあるってことで
信用してるんでしょう
みぃさんがそんじょそこらの若い人にお金は出さないから」
すると、みぃは自分から
「私の優秀な元、夫までつけてあるんだからね
あれは成功するに決まってる!」