小百合の幸せ

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綾子は話を聞きながら
雅紀が、ある才能に恵まれているのだろうと理解する
今、ようく言われている発達障害だが
反対に違うベクトルが素晴らしい人間もたくさんいる
普通でいることが正義であるような社会のなかに
全く違う天才のような人間たちがいて
その人間たちからは学校と言う常識に合わない人間がいることを
今の世の中は少しづつ理解してきている

偉人や有名人に多いのも確かなのだ
その雅紀君とはそんな人間なのだろう

でも、高校生の章子がそんな彼を捕まえて
誰もが賛成しているなんて、素敵な話だ

綾子が長いこと小百合と友人でいるのは
そんなところだ
綾子が持っていないものをすべて持っている

綾子が小百合と同じ小学校に入って来たのは
愛人である母が、父の子供たちには絶対負けられない
お金だって平等に出してもらわなければ悔しい
そんな母のライバル心からだけの、学校選びだった

お金の苦労はなかったが、常に一人前ではないような気がしていた