小百合の幸せ

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好きではないが、娘や夫に友人はいないとは言えない
何かの折に友人はと聞かれれば
小学校からの友人として綾子の名前を出す

一年に一度くらいあったりするのだが
その時に小百合は綾子の夫の仕事や
子供の学校が気になって仕方がない

綾子は本人も夫も官僚
娘と息子がいるが、これがどちらもよくできて
姉のほうはハーバード、弟のほうは有名私大に通っている
それだけでも、うんざりするのだが
綾子はそんなことにはまったく頓着せずに
楽しく話をする
いや、話を聞いてくれると言ったほうがいいかもしれない

自分がうっかり、言ってはいけないこと
空気を乱すことなんかをだんだん、わかって来たのだが
それでも、うっかり言葉に出してしまう
だから、何かと人が集まって話すときには
あまりしゃべらないようにしていたのだ

それはそれで、ストレスになる
綾子と話すときにはそんなことを考える必要はない