小百合の幸せ

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小百合には中学のころからの友人がいる

小百合には実は友人はいない
章子はそう思っている
小学校のころからの知り合いはいるが
子育てが終わって、一緒に旅行にでも行こう
なんて誘ってくれる友人は絶対にない
だいたい、人のうわさ話が嫌いなのだ
噂話なんかするのは下世話な人間だ
そんな風に育てられた
だからと言って小百合の母、章子の祖母は
噂話をしないかと言うと、そんなことはない
祖母には女学校時代からの友人が今でも仲良くて
良く旅行したり、集まってお茶したりしている
小百合はその場で、良く噂話をしているのを知っている
噂話のできない相手は、本当の友人ではないし信用できない

母は大人になってから小百合にそんなことを言った
それは小百合にはわからない

祖母にしてみたら噂話は悪口ではなく
本当のことだと言う
章子にはよくわかる