理想の父

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「じいちゃんはよく
『あの二人は本当に好き同士なんだぞ!』
とか、『みぃは幸せもんだな、あんなに仲良しの
父ちゃんと母ちゃんを持って』
口癖のように言ってたんだよ」

康太には寝耳に水の話だった
だいたい、康太は爺さんも嫌いだった
家にいても爺さんと話すことはなかった

「お兄ちゃん、そういえばじいちゃんが言ってたけど
お兄ちゃんはお父ちゃんそっくりだよ
お姉ちゃんが家に帰ってくるまで
お兄ちゃん、誰とも話をしてなかったじゃん」

そう言われればそうだ

「姉さんとみぃはやっぱり、母さんに似ているし
僕は父さんに似ている
やはり三人とも二人の子供だってことか」

みぃは驚いたように

「そんなこと考えてたの?
性格は置いといてもお姉ちゃんはお母さんそっくりな美貌
お兄ちゃんのその性格、お父さんにそっくりじゃない?
そして、私が風俗の世界を嫌悪感も持たずに
のびのびと生きてきたこと
お母さんにそっくりでしょう」