星人の不思議

タケオと速水の憂鬱をよそに

すっかり煩雑にやってくるようになった

そして、困ったことに星人は

このおばあちゃんが一番好きなのだ

そして、タケオの母は星人に小学校がどんなに楽しいかを

手を変え品を変え教え始める

「パパ、パパもママも小学校に行ったんでしょう

パパは凄くお勉強ができたんだってね」

そう、無邪気に聞いてくる

今まで、勉強という概念など植え付けないよう

いや、ただ、普通に暮らす遊びの中に

世間で勉強ということが星人の中に入っていたのに

義母がやたら

「星人ちゃんはお勉強ができてえらいわね～

嫌なことがちゃんと我慢できるって

素晴らしいことよ、偉いわね～」

勉強って言うのが一体何なのか

そして、我慢してやっていると気持ちもなかったのに

それからは速水の父と百人一首をするときにも

「僕、偉いでしょう？

こんな難しいことが出来るのは

ちゃんと、我慢出来てるってことだって！」