ミキのママ友
優人は今まで母のことなど
考えたこともなかった
言うことを聞かなければならない
それは刷り込まれていたが
母を尊敬するとか
母を好きだとか
母が一体どんな人生を歩いてきたのかとか
全く興味がなかった
そう言えば、母のほうの親戚には会ったこともなかったが
そのことに疑問すら抱かなかった
ただ、父のような人生を望むロボットのような人だと思っていた
コーヒーを淹れると
殿村は自分の人生を産まれた時から話し始めた
「え?中卒だったの?」
嘘のような話だ、興味はなかったが
どこかの女子大出身だろうと勝手に思っていた
「え?お爺さんって犯罪者?」
ものすごく完璧主義で嫌な母親だと思っていたのに
そんなことがあったなんて
それは最悪な話でもあったが
優人はホッとしたし、ハーミーの話も
初めてやりたいことに出会った気がした
そして、真実を話してくれた母を好きになっていた