街の灯り

こんな大事なこと、どうして話してくれなかったのか
康太も康太だ
しかし、康太の気持ちはわかる
自分たちの血が流れる子供がいる
それが女の子ではないにしても
ミキに話しづらかったのはわかるが
それにしてもだ
沢村と結婚して速水をみぃのところに送り出すまで
すっかり忘れていたのだ
本当に普通の子供だと思っていた速水との
あこがれていた通りの、親子三人の生活
確かに、それを満喫しているミキには言えなかっただろう
みぃには速水を送り出すまで
会わなかったのだ

みぃのところにすっ飛んでいくと
速水は海外に撮影で行っているという
速水には会いたいと思うし、食事を作ってあげたい
洗濯をしてあげたい、そう思うのだが
もう、そんなところには速水はいないし
みぃははっきりは言わないが
速水はそんなこと願ってはいない
たぶん、執事のような男がいて
すべて面倒を見てもらっているのだ
本当にすべて・・・・・・