その先

「色々、母さんも大変だったね

おばあちゃんが最悪な人なのは

父さんから聞いたし

小さい時は、本当の母さんのことは

知らなかったけど

中学の時にしっかり説明してもらったし

亡くなった母さん、

あ、育ててくれた母さんだけど

凄くいい人で、僕はたまに遠くから

母さんを見るだけで

十分だったんだ」


私は邪魔にならないように

寿司の準備をしたり皿を並べたりしながら

それで十分とは、まぁ、

そんなものかもしれない

そう思いながら澄子ちゃんをみてみると

もう、涙いっぱい浮かべて

倒れそうだった