父親はすぐに思い出した
「ああ、あの花ちゃんかぁ
あの頃からあいつ、おかしかったから
随分迷惑をかけたね
それでも、ずっと友達でいてくれたのか
ありがたいことだ」
いろいろ事情を詳しく話したかったが
子供の話を聞いて
澄子ちゃんが動揺しているので
私が話を聞いてみる
「本当に変わった女だった
澄子に赤ん坊が生まれて、
すぐに病院に呼ばれたんだ
そして、『こんなふしだらなことをするのは
あなたの血だ!黙って赤ん坊をひきとれ!』何を言ってもダメなことは十分わかっていたから、そのまま連れて帰ったんだ」