その先

長い年月、会わなかった二人の会話は

落ち着いていたし

その中に深い喜びを感じた

わたしからすると、

いい大人同士になった時に

こっそり会ってもよかっただろうに

そう思うが、ここの母の強烈さは

それすらさせないほどだったのかもしれない


しばらくして父親が


「息子のことじゃないのか?」


そう言った。

澄子ちゃんもうなづいた。


父親は嬉しそうに


「もうすぐ帰ってくる

ちょっと、ラインするから待っていなさい」