その先

「まぁ、それはご愁傷様

ご仏前にお参りだけでも」


私は実はそういうタチではないのだが

常識的な反応をした

すると、澄子ちゃんは


「ないからいいのよ!

お葬式も仕方なくやって

誰もきてくれなくて

父すら来ない葬儀で

私は、やっと母からの呪縛から

解き放たれたの」


それは遠い昔

私が澄子ちゃんの母親から

言われもないことをされた

あのことをベースに

私には説明は不要でしょう?

そういう含みがある気がした