その先

私はそれに対して反発していた

澄子ちゃんの家は百姓の自分の家とは

絶対に違う

お母さんだって、うちの母親とは

全く違う

うちの母親がスカートを履くのは

学校の行事の時だけだし

化粧だって滅多にしない

私の勉強だって見ないし

テレビドラマを見るのが趣味の人だ


そう、自分のような家のものが

手紙の返事を期待することが

間違いなのだ

そう思って、あの時手紙は書かなかったのだ


こうして、会いに来てみると

東京で高級住宅地のこんな大きな家に住んでいる澄子ちゃんは

やはり、あの時と同じ気持ちで

対面している自分に気がつく

澄子ちゃんは、やはり