馬の耳
最初に出会ったときに恋に落ちたのは沙耶のほうだったが
沙耶は恋をする前に、学歴、見た目、会社そんなことを先に
押さえてからの恋だったから
結婚して、冷めるのも早かった
でも、保守的な商人の家に生まれたから
結婚した以上は、何があっても全うしたい
不満な部分はお金で解決すればいいと思っていた
子供の顔はお金で解決できない
これはショックだった
自分と健介の間に、こんな顔の子が生まれるなんて
それが女の子なんて!
考えられない!
そう思ったが仕方がない
それならば、彼女は勉強をしっかりさせなければ!
そう言う思考になるのも不思議だが沙耶はそう思った
それはさや自身に由来する
父や母は厳しく勉強をさせようとした
しかし、努力ではどうにもならない
実は沙耶は健介には話していなかったが
健介の大学が第一志望だった
しかし、高3になって全く偏差値が届かなかったことで
小学校からの付属の大学に上がったのだ
小学校、いや、ほとんどこの私立小学校に上がると言われる
有名幼稚園に行った
私立の小学校に入れる親は、それも大学付属に入れる親は
勉強も大事だが、それよりも受験のないのびのびとした
環境で大学まで行ってほしい、それが目的の家が多い