馬の耳
「私が通った、私立小学校に通わせましょうよ」
はっきりとそう言う
もう、パンフレットも取り寄せている
私にとっては、まだ、3歳だが
彼女にとっては少し遅いくらいだと言う
私はパンフレットを見るまでもなく
彼女が出た小学校は高い私立の学校の中でも
とりわけ、学費が高いので有名だった
それに、ネットで調べると、かなり評判も悪い
私たちが住んでいる地域は、かなりハイソサエティーなところだ
これも、妻や妻の実家の好みだが・・・・
近くの公立で十分だと思う
「それは無理だよ!
僕の給料ではやっていけないよ
家のローンだってあるしね」
妻の顔色が変わった
「家のローンなんて、ほとんどパパが出してくれたんだから
なんてことないじゃない」
「もちろん、頭金が半分以上は助かったけれど
残った分はやはり、払って行かなくてはいけないだろう
これからの沙理のために貯金もしなきゃいけないし
生活だって、そんなに切り詰めるわけにはいかないだろう?」
いつだって、高級スーパーでしか買い物をしない妻に
私は反発を感じていた