発達障害の母

母には深い付き合いの友人はいない

祖母はここに書かれていることが真実だとすると

その友人たちはまともではないにしても

仲の良い人間がたくさんいるのは間違いなさそうだ

電話の途中で、友人が訪ねてくるなんて場面も

何回もあったうちにたまに来た時も、肩の凝らない明るい人だった

母はマニュアル通りの笑い方、マニュアル通りの驚き方

子供たちのママ友とかもそつなく付き合ってはいるが

決して家を見せないし、母の本当に気持ちなど誰にも見せない

幼稚園の頃、友達の家に母と一緒遊びに行って

母はその家では機嫌よく、そし楽しそうに笑い

『本当に楽しかった!また、ご一緒しましょう!』

そう明るく話していたのに

その家を一歩出て僕が

「また来ようね!」

そう無邪気に言うと、母は冷たく首を振った