発達障害の母

田舎の土曜日のこの時間の一両編成の電車

他に誰も乗っていない

 

「ねぇ、亜美ちゃん

叔母さんがこうして誘ったのは

実は大学受験の下見のためっていうのは言い訳で

もしかしたら亜美ちゃん、妊娠してるんじゃないかって

違ったら、ごめんね

でも、きっと、誰にも言えずに困ってるんじゃないかと

気になってね」

 

すると、亜美ちゃんはわっと泣き出した

きっと、重い重いものを一人で抱えていたのだろう

しばらく泣いていたがこっくりとうなずいた

やっぱりそうだったのだ

そして、父親は・・・・弟だろうか・・・

そこはさすがに聞けなかった

 

「東京に誘ったのは、そのことを

どうしたいのか聞いて、亜美ちゃんが産みたいにしても

そうじゃないにしても、なんとかしてあげたいと思って

すごく好きな人の子供で、産みたいって思ってるんなら

お母さんに叔母さんから言ってあげてもいいけど」