発達障害の母

私はたまにしか見かけないこの女の子が好きだった

田舎の高校三年生、

私の親戚の子たちは

親戚と言っても田舎のことだから、ずいぶん血が薄くても

親戚というのだが

どの子も残念な子だらけだった

地元の普通科高校か農業高校に通っていて

卒業したら地元に就職するってことで、この村の神のように

ありがたがられている

もちろん、若い人に残ってもらうのはいいことだ

でも、彼ら彼女たちはここにいるのが、一番安全だから

この村にいるのだという

役場や農協なんかに就職したければ

地元の偉い親戚のおっちゃんか誰かが

手をまわして試験の結果は何とかしてくれるのだ

これは、地域活性にもなるからと

偉いさんたちの中では暗黙の了解がある

そして、子供たちの親は何かと貢物を持っていくのだ

現金は動かないにしても、その偉いさんに

何かと忖度する構図は出来上がっている