発達障害の母
それは優等生を気取っている私の胸をえぐる言葉だった
思ったことは必ず口にする
そして、その思ったことっていうのが
たいがい誰もが考えているけれど口にできないことだ
もちろん、ケロは私にだけそんなことを言うのではない
誰にでも、そういう風にものをいうのだ
ネコなんかは
「お前んち、村長とか威張ってるけど
じいちゃんも父ちゃんも金遣いが荒いんだって?
それも女とか競馬とか競輪とかに使うんだってな!
金なんかそのうちなくなるよ」
なんて言われていた
ケロが考えたことではないだろう
どの家でも夕食のときなんかに話題になっていることだ
でも、子供ながらに誰もがよそで言っちゃいけない
くらいのことはわかっているのだが
ケロは好んでそんなことを言って回っては誰からも嫌われていた