発達障害の母
それが、ある夏休みに
中学生の男の子を
誤診しちゃって、大病院に送るのが
遅れたものだったから
その男の子は命を落としてしまったのだ
村の人は誰も彼を責めなかったし
その男の子の両親すら
仕方がないことと諦めたんだけど
みっちゃんはそのことで自分を責めて
一人、国境なき医師団に入って
シリアで戦闘に巻き込まれて
亡くなったそうだ
「そうだったの、なんかみっちゃんらしいね
子供はいないの?」
「うん、あそこのおじさんとおばさんも
割と早めに亡くなって
奥さんが一人ずっと、ここに住んでいるんだよ
元、看護師だけど、あそこの全財産を相続して
優雅に暮らしているよ」
ああ、それで、雅ちゃんの旦那と何かと
あるってことか
そういう顔をしたのがわかったのか
友くんは
「うん、雅ちゃんの旦那は
雅ちゃんを捨てる気満々!」
そんな話を聞くとみっちゃんの人生って
なんだったんだろうって悲しくなる