誘惑の花

もう一度、田舎の友人を訪ねて

その、娘がどうなったのか聞いてみた

田舎は誰もが何でも知っているのだ

 

「ああ、りさ子ちゃんね

美奈子さんは出て行った娘にホッとしたみたいだったけど

俊哉さんのほうが、コンタクトを取っていたみたいよ

りさ子ちゃんも田舎の不良仲間とは

都会に出て行っても連絡は取ってたみたい

だって、田舎の子って都会に出て遊ぶとき

ホテルをとったりしないで、親せきとか友達の家に

行くでしょう

ガソリンスタンドで働いていた久美ってヤンキーがいるんだけど

東京のりさ子んちに遊びに行ったみたいなこと言ってたよ」

 

京子はすぐにそのガソリンスタンドに行った

真っ赤な髪の毛に、耳にこれでもかと言うくらい

ピアスを付けている

 

「え?おばさん、りさ子の親戚かなんか?

あそこの母親に言ってやってよ

りさ子、子供が出来て大変なんだから

許してやんなよって!」

 

「え?子供が出来てるの?」

 

「うん。うちが遊びに行った時には2歳くらいで

めちゃ可愛い女の子、えっと~名前は~

スピカとかだった

旦那が不細工だったから、チビでもブスだったけどね」