誘惑の花
京子も必死だった
東京で仕事をするには能力があればよかった
でも子育てはそう言うわけにはいかない
とにかく、子供の頭の良さとお金が必要だった
夫は小学校から私立出身
それでも、夫を裕福に育てた親は他界しており
財産は夫の兄弟三人で分けたが
マンションを買ったらおしまいだった
夫は大学まで3流の私立のくせに
子供たちは公立でいいなどと言う
地方の田舎出身の京子には東京で暮らしていく以上
子供の教育は一番のやりがいだった
子供たちはおかげで二人とも頭がよく
中学からは有名私立中学に入り
塾や学校で知り合ったママ友の中では最高だった
でも、それも大学までだったそこからは際限もなく普通の頭の子供にお金をかけた家の勝ちだ
京子は二人が無事に就職すると
自分は所詮、地方の田舎出のお金のないおばさんだと気が付いた
ママ友達は子供に数千万もかけて医者にしたり弁護士にしたり
満足な子育ての終わりを迎えていたが
京子にはむなしさしかなかった
そんな専門職に就けるようなお金はなかったから
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