誘惑の花

俊哉は困った顔をした

 

「だって、奥さんいるでしょう」

 

美奈子のことはよく知っていたが

全く知らない顔をした

子供もいるのだ、ここに泊まっていいわけがない

俊哉はすっと、京子に近寄ると

うつむいていた京子の顔を覗き込むようにしたかと思うと

軽いキスをした

そして、驚いている京子をすっと抱き上げると

そのままベッドに押し倒し

 

「会いたかった」

 

そう言って抱きしめてきた

京子は何も言えないまま、されるがままになり

そして、思い切り抱き返した

そう、ただ、会いたかった

もし、俊哉が美奈子にあきて

ただの浮気に来たのだとしても

それでいいと思った