誘惑の花
どんなに仕事が忙しく、やりがいがあっても
ふっとしたときに思い出すのは俊哉のことで
東京の生活を始めてからのほうが会いたくてたまらなかった
中学の時に俊哉と同級生だった友人に
住所を聞いた
彼女は俊哉と同じ中学だったことすら恥ずかしいと思っていたし
京子は彼女に俊哉と関係を持ったことを話していなかったから
「同じ中学だったら、今でも近寄らないよ
ロクな奴じゃないからね、まともな人間なら
彼の住所なんか知らないほうがいいよ」
「まぁ、そうだとは思うけれど
今は彼女もできて改心しているらしいじゃない」
「ああ、その噂は聞いたけどね」
彼女は地元で公務員をしている
「でも、