誘惑の花

京子はもともと頑張り屋さんで

素直な方で、田舎にいるときは

真面目で、誰からも尊敬されるような人間だった

それが、東京の大学に行き、それから就職して

あんなことになって、世の中、まっすぐではやってられない

仕事に一生懸命になれば

誰かを裏切ることもある

そんなことを知って、少し気持ちがゆがんでいた

だから俊哉を初めて見た時に

心は昔の彼に会ったときの数倍ときめき

今は、仕事も面白くなかったのでそう言うことに、一生懸命になる準備が整っていたのかもしれない

 

背が高かった

入って来た時に、あ、180はあるな

そう一瞬思った

一緒のチームのカメラマンがそのくらいの高さで

スタイルがものすごくよかったのに

顔が凶器だったので、編集長が面白がって

いつもからかっていた、あのスタイルだ