逃亡

チェリーはムッとしたように

 

「だから、私はバカなんだ!

そう言う理由だったのね」

 

「そうとも言えないけどね

でも、シェリーのこと、ちゃんと考えなきゃ

だいたい、もともと、仲のいい家庭でなかったにしても

あんたのせいでこういうことになったんじゃないかい?」

 

「ママよ!いつだって自分が大事なんだから

お兄ちゃんのことだって、自慢になるからでしょ

私だってバカ高校に行ったとたん、手のひら返しに

娘なんかいない!的な態度に変わったんだよ」

 

「そこまでわかっているんなら、わかるだろう?

シェリーをかわいいと思ってるのならば

遊んでやるんだよ

家事を手伝う時は、いつもおんぶしてやるんだよ

そして、色々話してあげるの!

今、掃除してるんだよ~とか

美味しいご飯作るの!とか

歌を歌ってあげたりね!」

 

「うん。わかった!」

 

チェリーは喋るのは、何もわからない赤ん坊に無駄だと言う

顔をしていたが、歌は得意なことだから

やってみようと思ったのだろう