逃亡

拓は一か月もすると、もう、追われてはいないんじゃないか

、ここは絶対に知られていない

そう思い始めて、近くのコンビニでバイトを始めた

赤ん坊とは不思議なものだ

チェリーのお腹が大きくなるごとに

結婚しないにしても、それが自分の子供だと思うと

何かしなければと思うようになった

 

チェリーが赤ん坊を産んだ時

コンビニの夜のシフトだった拓と

息子が飛んできた

産院のあわただしい喧騒のようななかで生まれたのは

小さな女の子の赤ん坊だった

ショウも飛んできた

どんな経緯であったとしても

人が一人生まれると言うことは

感動的なことだ

 

息子が嫁と兄の智久に一応連絡したらしいが

既読になっただけで、何も言ってこなかったらしい

拓はわけもわからない感動で泣き出してしまい

案外いいやつだったと思ったし

その様子を見ていたチェリーもとにかく

拓とやっていこうと思ったようだった