逃亡
ショウはもちろん、私の気持ちに気が付いていた
「拓とチェリーは結婚させたらいいんじゃない?
そしたら、あっちの部屋に二人を置いとけば
いいし、生まれてくる子供のためにも
それが一番だよ
あの二人はこれから心配だけど
祖母ちゃんがいてくれるんなら、安心だし
俺はコックになろうと思うんだ」
ショウはしっかりしている
「本当にいいのかい?
まぁ、あのチェリーの様子を見たら
呆れるのも無理ないけどね」
「ごめん、ばあちゃんの孫なのに
俺、チェリーはもういいかなって
拓が来たこともあるんだけど
それよりも、あんなに恵まれた家に生まれて
小学校かめちゃくちゃお金のかかる
有名な私立の小学校に入れてもらって
その中に平和にいれば、大学にだって行けて
生きることに困るなんて絶対ないのに
なんか、甘えてるよ!
拓のほうはそれなりに苦労もしたみたいだから
生きるために仕方なかったんだと思う
でも、ばあちゃんの息子の家庭を
ぐちゃぐちゃにしたのは結局チェリーだよね
お母さんやお兄さんの気持ちわかんなくはないよ!」