魔女
一度、結婚したが子供が産めない体であることを
その時の検査で知った
そして、その理由が幼い時の性的虐待であること
それがわかると、夫に離婚を切り出された
普通の、ごく普通の人でそのことでショックを受けたようだった
すべて自分の過去を話す必要があったのかどうか
迷ったが、彼にはすべてを知ってほしかったのだ
でも、それを受け止められるほど、彼は強くはなかった
自分の生まれが不幸であることを呪った
それが、あの頃、名前も忘れたアパートのあの女のせいだったという
私は長い間心の奥に押し込めていた
あの時のことを思い出した
もっと、私が世間を知り、そして、あの火事の不審な死
ちゃんと警察の話していれば・・・・
「ごめんなさい、私がバカな学生だったばかりに・・・」
瑞樹ちゃんは首を振った
あの頃、最悪な生活の中で、二人に会った
あの時間はとても幸せだったと