魔女

社長はすぐに自分の部屋に招いてくれた

 

「くうちゃん?くうちゃんのことなんでしょう?

僕も彼女にはやられっぱなしだったけど

今、思い出せば、あの頃は楽しかったよ

僕が一番、お金を持っている時でもあったけどね

イタリアから電話してきて

『どうしていいかわからないから、すぐに来て!』

とか、ホストクラブで遊び過ぎて

『お金持ってこい~!!!!』ってホストが僕のところまで

来たりしてね

本当に呆れるしかないような、子だったけど

ホント、楽しかったんだ」

 

「でも、あなたのほうから追い出したんでしょう?」

 

瑞樹ちゃんが怒ったように言ったので

私は、少し、あきれてしまった

話を聞いただけでも、くうちゃんは

追い出されても仕方がないだろう

もちろん、結婚もしていなかったんだから