魔女

白と黒で統一されたサッパリした部屋

くうちゃんはすぐに

 

「瑞樹ちゃんのおもちゃはないの?」

 

私の部屋は貧乏な学生の部屋である代表のような部屋で

何にも置いていない、電気炬燵が一つ

それが家具のすべて

服は押し入れに収納できる量だし

お茶碗とお味噌汁茶碗、皿、お箸一善

部屋の隅に教科書や本が山積みになっている

あの頃の学生なんか、誰もがこんなもので

これが地方から出て来ている学生に一般的な部屋だった

そこに、くうちゃんが来ただけで

部屋の空いていた隅の半畳ほどが

ぬいぐるみや人形

くうちゃんがおもちゃにしたがる

食べた後の空だとか小さな箱が置いてあった

ないどころか、この部屋には子供がいる形跡がなかった

瑞樹ちゃんは絵本も持っていないのだろうか?

ここには大人の本もなかったのだが・・・・そんな空間がない