おばさんであること

満里奈は珍しくあっけらかんと言う

その、様子は実は本当にうれしそうなのだ

明美は不審そうに

 

「いったい何?

いい男でもできたの?」

 

「まさか!だって、うちは子供はいないでしょう?

もう、私たちも60に近いじゃない

若いころのように、夫の身の回りの世話なんか

そんなに嬉々としてやりゃしないわ」

 

二人とも確かに!と相槌をうった

若いころは夫の世話も楽しかった

でも、今は子供が小さなころの忙しさに比べたら

楽なのに夫の洗濯から洋服の世話

夕ご飯だって子供となら栄養を考えたもので

いいのに、夫には別に酒の肴なんかを作ったりする

 

「それに、これから先

私たちが先に寝たきりになるなんてことはない気がしない?

そのためのお金はもちろん、取ってあるから問題ないんだけど

夫の下の世話だって、長年連れ添っているとはいえ

大丈夫?」

 

二人とも思い切り頭を振る